NPC DB（エンジョイ）

揺らぎの迷宮の中層以下に出現する陰鬱な空気を纏った魔術師。
迷宮の神秘を護る、迷宮を管理しているなど様々な噂がある。精神に働く暗黒の術を得意とし見染めた冒険者を自らの傀儡にしようとする動きを見せているが、年々活動的になる冒険者達には手を焼いている様子も。

その名は、グラム・ウォルンタス。
かつてファーランドにて師弟の関係であったニルヤーナと共に魔導の根源を追い求めていた魔導研究者であり魔法局とも繋がりの深い人物だった。
当時、ニルヤーナとは夫婦関係にあったが禁術研究の傾倒により道を誤りニルヤーナを含めた周囲の関係全てと袂を別ち、姿を消した――とされている。

一方、ニルヤーナから言わせればこれは片腹痛くてヘソで茶が沸いちまいますねェ！な説明であるらしく事実、禁術はニルヤーナの方がえげつない研究をしていたという証言もある事から姿を消した理由としては弱いようである。

その後ファーランドを去ったグラムは『龍』を追い求め、大地に大穴を穿つ迷宮魔法の術式を完成させた。
これは単純な構造生成を繰り返す事で超巨大構造物を生成する大魔法であったが始原の龍と、その眼に触れた事から術式は暴走。異世界へと繋がる『揺らぎの迷宮』が誕生してしまう事となった。
己の力をもって事態の収拾を付けようとしたグラムだったが、50年の結果を見れば失敗に終わったと言えるだろう。

ファーランド九騎士家の一つ、ヘクシズ家の長男にしてリーブラムの兄。
『美しい取引こそが国家を成長させる礎』という家訓に従い、かねてからファーランドとパルペブラが友好関係を結べるよう尽力していた。

『星詠み』の研究員である女性。
上位に至るために病を患ったゼグラと共に生命を造り替える研究を行っていた。ゼグラの遺伝子を受け継いだルカを利用して更に研究を進めようとするが、ルカに混ざった他の遺伝子の影響か実験は失敗し、最終的にベルセティアの逆鱗に触れ姿を消した。

機人の世界を統治する支配者。人類が姿を消した世界で、人類を再生するため機人を生み出した。

その正体は、かつての人間の集合意識体。
滅びの日、シェルターに逃げ込んだ避難民達はしかしその活動を維持するだけのリソースを持ち合わせていなかった。
彼らは機械に自らの意識を移植したが限られたメモリーは、彼らを彼らではなく一人の彼女にする事しかできなかった。

『ヒトと共に笑い、泣き、歌え』
喪われた他者を求めた彼女は自らの断片から機人を生み出した。そこには確かに歓喜と祝福があった。
しかし長い時の果てに、彼女は老いた。そこに残ったのは、愛する子の魂と記憶を洗浄しようとする壊れた神の姿だけだった。

最初に造られた機人の一人。寂しさを隠すアドミニスターのために歌を歌っていた。

賢王イデア・ストラトス。偉大なる賢王として語り継がれたかつての王でリリスの先祖にあたる存在。
知識の編纂に力を尽くした人物であり付与魔術など、魔術の発展にも寄与したが晩年には永遠の命を求めるなど狂気の片鱗をも見せていたらしい。

今も現存する『ルセルティアの書庫』は賢王イデアが設立したものである。
その名はイデアが幼い頃に亡くした姉の名であり、彼女もまた魔法に精通した才女であったと記録されている。

最愛の姉、ルセルティア姫が帰らぬ人となった。その悲報に言葉を失くすばかりの少年イデアは縋りついた勇者の眼に、罪の色を視た。――そして、勇者もその姿を消した。
人々が己を賢王と称える日々が過ぎても尚、彼は姉の死に囚われ続けていた。エクセリオ城地下に眠る、神託の間。繰り返される勇者の伝説。冥界の蓋が開くように現れる、魔界。魔族。天文博士達には、多くを調べさせている。だが、足りない。時間がもう、ない。イデアは既に老境に達していた。
「姉に会いたいか？」
病床に伏せる老王の前に、その男は現れた。

厳重な警備を掻い潜って現れた筈の男はしかし、怪人というよりはただ膿んで疲れたような顔をした男だった。
「お前が望むなら、引継ぎをやらせてやる」
継承器。記憶を継承し続ける器物をもって永遠を約束しようと男は言う。何故。と問うイデアに、男は力なく笑う。
「後釜を探していたんだよ。だが、俺はもうここでいい。記憶は残さない。お前は一人目になる」
「望むなら、上位に到れ」
差し出された継承器を、枯れた腕が掴む。そして男は、灰となって消えていった。何かを憐れむような、声だけを残して。
「……どうして、なんのために、地獄に堕ちるまで、俺は――」

その後イデア・ストラトスは狭間の世界で、姉と再会する事となる。
だがその時点で、彼は『二人目』でその心も感情も、もうイデアだけの物ではなくなっていたのである。
共に永遠を抱く、妄執の龍との出会い。狭間の魔女との決別。星詠みのカペラとして繰り返される継承の中で古びた本のように閉じられたイデアの物語は、語られる時を、永く待つ事となる。

犬族の頂点に立つ、狼族の王。かつては絶大な権限があったが猫族との得るものの無い戦争の果てにいつしか求心力が失われた。最後まで猫族との和平は拒んだもののもはや彼にそれを止める力は無くその全権をアルベルトに委譲した。

全ては未来のため、王の力は必要であると二人の若者は光の道を示した。しかし、王は妄執への耽溺を選んでしまった。王宮に引きこもった王は、全てから目を背け己の暴走を止めなかった者が悪いと決めつけて開き直る始末だという。
それでも、忠義に殉じようとする者は多い。彼らは常に己に問う事を求められるだろう。

暗く淀んだ目が特徴の、魔族の青年。情緒が不安定でかつ好戦的。
難民を襲撃した際にシャクティに消し炭にされるも蘇る。その理由は自身がエギルだからと明かす。
他者を自らと同じエギルに作り替える事に悦びを見出していた。

元は罪人として処刑される筈だった少年。罪状は親殺しだったという。魔王オーグの腕に抱かれた彼は救済を信じながら闇の中に消えていった。
その眼はアルクに決して忘れえぬ痛みを残す事となる。
『さあ、同じ夢を見よう……！』

ウォルンタス魔法学院の研究生。フルネームはウィルフレッド・ミシュティ。
研究・開発のオタクで成績は極めて優秀。教師からの評価も上々。だが同年代からは変人扱いされており友人は多くない。
家にも帰らず研究室に泊まり込んでは奇妙な発明品ばかり作る癖がある。

メリエンナ全肯定BOTは語る。
『具体的に言うと目元とかふわっとした髪とか丸っこいツノとか柔らかい笑顔とか。可愛さの権化なんです。
彼女が作るお菓子も料理も世界一おいしくて彼女が心の底から笑ってくれたら嬉しくて彼女も寂しい心を抱えているんだって知ってそれでも周りに優しくできる彼女にまた憧れて、だから僕もメリーみたいに――……ア、アルクくん？聞いてくれてる？アルクくん？？？』
現場からは以上です。

リムニスの妹。パルペブラから遠く離れたとある湖畔で兄と共に、竜を護っていた『守り人』の一族。
しかし、ある日を境に竜達が正気を失いリムニスによって竜が殺された、その後エニスは人の姿を失い、竜となっていた。
その正体を知ったアルク達の前で霧に包まれた彼女は、忽然と姿を消した。

エニスと出会ったというアンバッハによれば、彼女は自ら望んで竜になったのだという。それは、守り人という運命の中で直面した運命そのものへの怒りだった。
彼女は、望まずに暴走して殺される竜達を救う術を見つけたいと考えていたようだ。

難民の少年。活発でよく笑う子供で、アルクによく懐き親交を深めていた。
母の死を目の当たりにし魔王の放った流星雨の中に姿を消した。

エステルリエルの部下達の尽力により逃がされ生き残った難民達の中にマーリィと共に歩むエリックの姿もあった。

アルクとリリスが炊き出しに居合わせた際マーリィと共に再会を果たす事となる。
それまで笑顔を絶やさなかったアルクだったがエリックの無事を知った際は堰を切ったように泣く事になった。
まだ当人達も知らぬ事だが新しく姉が二人できる事になるだろう。

ライトの居た世界を統治する王。エクセリオ城で勇者ライトに魔王討伐の使命を託した。

リビルドランドで運営されているカジノ・スクラッパーの支配人の女性。
リビルドランドが存在する人工島建設になにかしらの形で関わっていたのか当時の事を事細かく知っており、その経営手腕は名だたる経営者すら裸足で逃げ出す程に凄まじいという。

金と欲望が集まるカジノを運営する上でエメルダは多くの策を張り巡らせている。
リビルドランドの治安維持協力もその一環であり、清廉潔白を主張するための苛烈なる振る舞いは裏社会にも轟いており悪事を働こうとしている者達にとっては危険人物として最大限警戒されているらしい。

レイラス・オークルズの弟。歴代最強の魔眼を持った兄とは異なり魔眼を持たずに生まれた。
幼い頃から兄と比較されて育った彼は、そのコンプレックスを迷宮の魔術師につけ込まれ、兄と対立する。だが力及ばず敗北し、最後は兄の魔眼によって氷漬けになった。

オルタナルは氷漬けのまま収監された。レイラスは力を尽くしているが未だに弟を元に戻す事は叶っていない。解呪するには、迷宮の魔術師からレイラスが奪われた魔眼を取り戻すしかないのかもしれない。

粛清者の襲撃時、レイラスによって解呪され、崩壊する街から助け出される。
この解呪の際、長く持ち主を離れた魔眼がレイラスに拒絶反応を示すという想定外があったが、オルタナルに再移植し兄弟で運用する事によって解呪を成し遂げた。解呪後、魔眼は完全にオルタナルに馴染みレイラスの希望もあって返却されていない。

蘇生後は憑き物が落ちたかのように穏やかになっていたが、レイラス曰くこちらが素とのこと。しばらくは兄と共に暮らしていたが一族がパルぺブラに来る少し前に失踪。時折、旅先より手紙が届くという。

『八の家』エイトラン家の騎士。『揺らぎの迷宮生誕50周年』記念式典では、彼の主導で秘宝アンチオブザーバーや揺らぎの迷宮研究報告書を強奪した。
その目的は、両者の友好関係を阻止する事にあったようだ。

もともとは市民を襲うのも見せかけで騎士達の被害も最小限にする予定だったが、共謀したプロキオにその意志は無かった。
全ての責任を被せられた上で口封じされそうになるが、偶然出会ったアルムによって救われる事となった。

朱の刃やマリーナを必要以上に敵視する海賊の頭。

海に生きる者ならばその名を知らぬ者など居ないと言われる程に悪名高い伝説の大海賊。
悔しいけど、強い人だった。とはマリーナの評。しかしその振る舞いや美学は彼女が受け入れられるものでは無かった。

セグラは病を患った。そのため、仲間を死地にまで追いやってまで治療法を探し求めた暴君と化してしまう。
そうして彼が接触したのは『星詠み』と称する組織であり彼らが求めたものは、人を逸脱するための方法だった。

彼らは深海に人を超越した存在を見つけた。しかしゼグラは星詠みを裏切り人の身体を捨て、海底へと隠れ潜む。誰にも渡さない、だが傍に来てほしい。そうして最後に願ったのは自分の手を離れた輝きと、自分の残した名も知らぬ息子の存在だった。

コズミック十二支国の神獣。
ビューシィと共に丑国のアイドルユニット『シャトーブリリアント』として活動している。
ビューシィのよきアドバイザー。

かつてはグラビア牛として様々なコンテストで優勝した経験を持つ。
既にグラビアは引退しているが今でも肉体の維持には気を遣っており、栄養バランスのよい食事と適度な運動を心がけている。

『一の家』ソロン家の騎士。アルク達には『ヴェロン』と名乗っていた。
30年前、イーセリア・ゼロノア姫の警護を任されていたが、姫は暗殺されてしまう。その後は追っ手と戦いながら逃亡生活を続けていた。今や皮肉な事に、姫の仇を取りたい彼自身が多くの人の仇になっている。

コズミック十二支国の神獣。
ノエネ、キャティーと共に子国のアイドルユニット『ノッキンハートミラクル』として活動している。
ドラム担当。スティックより前歯で叩く方が得意。

数多の偶像決戦をくぐり抜けてきた歴戦のカピバラ。片目の古傷は、かつてライブの最中激しいヘッドバンギングで機材にぶつけた際に負った名誉の負傷である。
オフの日は、よく温泉に通っている。

クオリア・シティで活動していた星詠み研究者の一人。
他の研究者の意に背いて独自で行動しルーマを逃がしたかと思われていたが真の目的は、冥龍アルマデウスの復活だった。
ルーマをエネルギーコアとした『ドラゴンイーター』撃破後行方をくらました。

狭間の魔女ベルセティアはカペラをイデアと呼んでいた。カペラもまた、彼女を姉と呼びルセルティアとも呼んでいる。
『さようなら姉さん。剣の呪いに、お気をつけて。』

カペラの生体組織はプロゲーマーのマイコ・ウォーレンと一致したが彼女の経歴はバイオメカニクスと異世界に通じる人間の者とは思えないものだった。
ギルドナイツ隊長のフィンによればマイコは『クリエイター』の制作した呪具の精神支配を受けた疑いがあるらしい。

ステラを襲った男、『クリエイター』は性別や脳すらも異なる別人でありながらしかしカペラ本人でもあった。
彼らは呪具の作用により記憶を共有しており呪具こそがカペラをカペラたらしめる物であると言えるだろう。
この呪具が破壊された場合、宿主は支配されていた間の記憶を失う事が確認されている。

クエットの力を利用し、友と共に眠れる龍に呪いを継承させようとした――或いは、ただ終わらせようとしたその目論見は、勇者達の手によって潰えた。
賢王イデア・ストラトスから始まった執念の物語は、マイコ・ウォーレンという女性の元で一つの決着をみたのである。
しかし、継承器の回収や星詠みとの決着に協力を約束したマイコではあったが、『死の続き』を作るという野望についてはまだ考えがあるようで、エルフの姫君や機人の紳士、狐耳の科学者とは悪い笑顔を交換し合っているらしい。
困ったものだと、狭間の魔女は笑っている。

主君を殺し恐慌状態にあった男に近づき力を与えた人物。領主しか知らないゴーレムの操作を知っており、ライトが勇者である事やステラの過去をほのめかし消えていった。

ワの国でヤマタノオロチを召喚し世界を闇に呑ませようとした仮面の下の顔は、ステラと同じ顔だった。
『誰もが闇の中で、同じ夢を見れる！』

コズミック十二支国の神獣。
トラエッティと共に寅国のアイドルユニット『リトラステップ』として活動している。
トラエッティのかけがえのない理解者であり同時に、彼女のアイドルとしての可能性を誰よりも信じている。

さもCIPOの一員かのような衣装をまとっているが、実は単なるコスプレで捜査権などは一切持たない。
しかしトラエッティと活動するにあたって、このままではいけないと一考。現在は、CIPOのマスコットキャラクターの座を虎視眈々と狙っている。

ワの国の有名な絵師。絵を描く事に一生を捧げており興味のあるものならなんでも描いてしまう。逆に描きたくないものは絶対に描かない頑固者。
『ご禁断戯画・恋空あずき模様』通称『恋あず』の作者でもある。

AltMeme系列で最大手の企業であるPBC（Paradigm Break Company）のCEOを務める男。大仰大袈裟な派手な振る舞いを好み状況をかき乱しながらビジネスチャンスを掴み取る鬼才の男。よく回っている。

ヒーロー・ネイトのプロデュースを大々的に行ったが、統括AIの暴走とその責任を問われた事でPBCの株価は暴落。小汚い事務所からの再出発を余儀なくされてしまった。とはいえ挽回の筋道は既に立っているらしい。

ノエネ、カピピと共に子国のアイドルユニット『ノッキンハートミラクル』として活動している故人。享年24歳。
コーラス＆キーボード担当。ペダルは踏めない。

キャティーの出身は猫国。
今では十二支国に数えられない弱小国だが、かつては十三国として覇を競う関係だった。だが子国に騙され貶められた。
キャティーは亡国となった猫国の、最後のアイドルになりそこねた女性である。
そんな母国の恨みを背負っていたが、ノエネと友情を育むうちに霧散した。今はノエネの事が大好きである。

パルペブラで暗躍する呪具の製作を可能とする技術を持った謎の人物。
その素性も行動も謎に包まれており呪具の製作方法を伝授したり製作した呪具を闇市場に流したりとなにが目的でそのような事を行っているのか、その一切が不明。

クリエイターが製作に係ったと推定される呪具は精神を司る物が多く『憎悪を弾丸として撃ち出す銃』や『残留思念をかき集めるナイフ』『戦況を自己判断する喋る盾』に『使用者に力を与える意志を持つ鎧』などその製作物の種類、性能は多岐に渡る。
しかし、クリエイターを信奉する模倣者の存在もあり、真贋は定かではない。

その正体はカペラと名乗る『星詠み』の研究員である。
カペラは特殊な呪具を用いて他人の肉体に寄生しているらしくいざという時には呪具を自壊させ寄生していた肉体を放棄する事で相手に情報が渡らないように行動しその正体を隠し通していた。
尚、残されたカペラだった男の腕には特徴的なイレズミが残されていた。

プリカの世話をしていた召使いの老人。シモンは彼の息子である。滅亡したモスニア公国に仕えていた一族の末裔で、廃棄された兵器の血族であるプリカを管理していた。だが幼く無垢な彼女に心を動かされお姫様としての偽りの人生を与えてしまう。彼はその事を後悔して死んでいった。

勇者の世界で劇や絵物語で名を馳せた作家。数多くの恋の物語を届けておりリリスも子供の頃は読み耽っていた。
星見の街の図書室に残された手記の作者、勇者ルフレと同一人物と思われるがその名の通り恋多き人物だったようで各地の隠し子や揉め事を残したらしい。
笑顔の中でその生涯を終えたと言われている。

処女作ルフレの冒険は、龍と出会った少年が笑わぬ妖精の姫に出会い、恋に落ちる物語。ルフレは妖精の姫から剣を授かるがその剣を使う事なく、姫の願いを叶える。
物語は、恋心を秘めたまま家路に着く少年ルフレのシーンで終わるが著作の中では珍しい、切ないラストだという。

イナホに付き従う三匹の化け子狐。名前はアワ、ヒエ、ムギ。額の紋章で見分ける事ができる。

統夜企連グループの主力企業DANの幹部。『ヤオヨロズ計画』に沿って社長のマザー・ラヴを補佐するが彼女が代表を退いた後は同社の全権を掌握する。

本名はシェルード・サーディア。『三の家』サーディアの家督を継ぎ領主となった人物。武人の誇りと領主としての責任感を兼ね備えている。
彼は二度、妹シルティーに敗れている。一度敗れてから、再戦のために他流の剣を取り入れてでも強くなろうとしたが、妹には届かなかった。

未開の森の奥にある城に住むお姫様、プリカの世話をしていたグレイの息子。廃棄された兵器の世話で一生を終えた父とこれからそうなるであろう自分の運命を憂い彼女を排除しようとする。

だが、プリカと感情をぶつけ合った結果私達は家族、兄妹だと屈託無く言うプリカに毒気を抜かれたシモンはそれを受け入れ和解し、彼女を旅立たせるのだった。

壮大な『兄妹喧嘩』の果てにプリカと和解を果たしたシモン。
和解から少しの間は余所余所しい態度が目立っていたが、その態度は徐々に柔らかいものになっており現在では頻繁に友達を連れてやってくる元気すぎる妹の相手をしながら瓦礫の山と化してしまった城の再建を続けている。

赤髪隻眼の老いた女戦士。
かつてライトと共に魔王に挑んだ女魔法使い。勇者が消えたその日から50年間魔王軍との絶望的戦況に抗い続けた。
かつての面影は薄く自らの血を灼熱に変えて敵を殲滅する苛烈な戦いぶりから『炎血の魔女』と呼ばれた、人類最強の戦士。

レジスタンスのリーダーにして最後の王族リリスとは育ての親の関係であり彼女が4歳の頃から生活を共にしていた。
そのリリスに別れを告げ宿敵魔王オーグに単身挑み、時間稼ぎを決行。命を散らす事となった。

ライトとは同郷の幼馴染の関係であり16歳のライトが村から旅立った際には当時6歳だったシャクティの村中に届くような泣き声と罵りの声が響いていたという。
10年後、魔法使いとして成長した彼女は帰郷したライトに旅の同行を申し出る。即座に却下するライト。しかしライトの母の共謀もあって、これは成立する事となった。

神官戦士ヨシュアとは恋仲の関係であり、二人の愛はなんとライトとの冒険の間に育まれていたらしい。
ライトはその事に一切気づいておらず少女シャクティの胸中に去来していたであろう様々な想いについては、今のところ愛娘リリスの胸の内にだけ収められている。

魔王オーグがエギル達と融合していった姿。闇に沈む事を選んだ、弱き者達の最後の砦。
不死性は既に失われており光の中に散る事は、必定だったがオーグは彼らを抱く事を選んだ。

リュシア、エイリン、メルティナというパルペブラの郊外出身の女性達。幼い頃、シュルトへの生贄に捧げられた上故郷の村人が帰る事を許さなかったためシュルトと一緒に暮らしていた。
今は星見の街に住みながらパルペブラでシュルトの食費を稼ぎ養う事が彼女達の歓びである。

リュシアは穏やかで思慮深い。エイリンは強気のしっかり者。メルティナは大人しく気配り屋。
一番の意地っ張りはリュシアだがエイリンとメルティナもまっすぐな眼は、とてもよく似ている。
そう語るシュルトの声は温かくその幸福こそを、彼女達は望んだ。

勇者ライトの知己であり戦える神官。魔王の塔に挑む勇者ライトに同行した。

人魚の長老。海底の廃墟を守っている。最初は一方的な勘違いからアルク達を敵視していた。アメリアの恩人と分かってからは文句を言いながらもなんだかんだアルク達に力を貸してくれる。腰が悪いらしい。

勉強をサボったり、行方をくらましたりと奔放なアメリアにはいつも手を焼いている。
だが、彼女を大切に思う気持ちは本当でアメリアが人間に捕まったり北の海に向かった時は本気で心配していた。

ファーランドの九騎士、六の家。外務と商工を束ねるヘクシズ家の次男でありリーブラム・ヘクシズの実の兄。キレ者として評判の青年であり、その能力は長男アズラールを超えると評される事も。
しかし現在、彼には実兄と実弟を互いに争わせようとした不和の陰謀の疑いがありこれに四家フォーラーの関与もあった事から分断と争乱の火種ともなりかねない人物と言えるだろう。

『理想ばかり語り、利の追及を行えぬ男』『敵を作る事を怖れる、臆病者』
実兄を唾棄するような言葉で評するジグラードの姿を知る者は少なくはない。必然、兄弟の人望には大きな差がありそれ故に王国の商人達はアズラールと懇意にする者が多いようである。
尚、三男リーブラムについては『評する価値も無し』と一蹴しているとの事だが、兄に向ける言葉とは若干、声色に差があるとか。

ファーランドの魔物災害を経てもジグラートは全く方針を変えず兄弟を避けながらも活動を続けている。
しかし、理想の強さは兄弟達も変わらない。彼との道が再び交わる日はそう遠くないだろう――とは三男の言葉である。

統夜企連系列で最強と言われた伝説のシューター。揺るぎない正義感の持ち主として50年近く、現役で活動していたがとあるチンピラに騙されて刺殺、弟子のジャスティ（二代目）が名を継ぐ。ネイトの憧れのヒーローでもある。

ジャスティ（初代）の跡を継いだうら若きシューター。玉兎民間警察との契約下で悪を根絶せんと奮闘、ヒーロー人気も高い。しかし本人には秘められた苦悩があった。アイドルシューターとして売り出されたネイトを最初は嫌悪するが、後に結託する。

星見の街とワールドフリッパーの管理者。自身を星を視て勇者を待つ存在として認識しているが他の記憶は失われている。
考えるよりも先に行動してしまう素直で不器用な少女である。

座標の取得の際、ライトと共に幻視した勇者ルクスと星見の街の映像。ルクスは街に居た人物を巫女と称していた。
ステラは自身が勇者の巫女に連なる者であると確信を深める。

交わりが禁じられた世界の監視者にて粛清を下す、裁定者。それが女神ステラの役割と機能だった。
しかし世界と勇者を消し続ける繰り返しの中女神は痛みを覚えるようになった。そして、己の胸に槍を突き刺した日。世界に二人の少女が産み落とされた。

殺された神王白虎の一人息子の名前。黒豹の子守役にもよく懐いた、よく笑いよく泣く、優しい少年だった。

メイド酒場で働いているマリアンネの同僚。
かつて行き倒れていた身寄りのないマリアンネを助け、メイドとして生きる道と『マリアンネ』という名前を与えた。

漂流島で亡き息子を取り戻すため『星喰い』の研究をしていた錬金術師。
禁忌の研究に手を出してでもかつての幸せを取り戻そうと足掻き続けて狂気に落ちてしまった悲しき男。人を超え、力を得た先で生み出したモノは物言わぬ形だけを真似た紛い物だった。

元セキュア隊の機人。
セラのかつての同僚にして友人。そして、内部粛清の任務に就いていたセラの手によって記憶洗浄された者。
記憶を失った状態ではなくしていたが花に興味を持ち、花言葉を好むロマンチストな一面がある。
セラがメモリーを復元した事で本来の性格を取り戻した。

飄々として、奔放な性格。しかし細かな心遣いを忘れない人たらし。
文化的なものに目がなく観光名所は強行軍をしてでも全てを回りきるタイプ。
セラとのメモリー、思い出は互いに欠如の多いものであったがそれをも慈しみ、新たな思い出を重ねていく事を願っている。

シープシッパーの族長である女性。遊牧民として素朴な生活を送る彼らの中では珍しく野心的な氏族でギルドの幹部にまで上り詰めた。合理主義で、隙を見せない事から冷たく見られる事もあるがその行動原理はパルペブラの平穏と繁栄にありプ・リリエの冒険者支援活動にも強力な後援を行っている。

記憶を失う前、日本人として生きていた頃のアルクの姿。
よく考え、言葉にする事に長けた少年だったが中学時代の彼は、幼い時よりも少し自分と周囲に不満を抱いていてそして公園での別れを経た後は決定的に、自分への失望を抱いていた。

アユムの上に覆い被さる影を取り除いたのは空気の読めないヒーローだった。
そうして高校生になったアユムは笑い方を思い出したがそれでも心は、あの公園に少しだけ取り残されていた。

渋谷が光に包まれ、世界から削られた日。凪原アユムという存在は光の奔流に呑まれ狭間の中に溶けていった。
狭間の中、アユムの影は重力に囚われたように街の周囲を漂っていたがやがて、大きな断片に分かれた。
彼方から聞こえる声に、導かれるようにそれは流星となって街へと降っていった。

領主によって砂漠の狂獣を討伐する事を命じられた少年兵。領主に兄弟の命を人質に取られ遺跡の崩壊させてアルク達と一緒に生き埋めになろうとするが砂漠の狂獣――シロに命を助けられる。

砂漠の世界でソーニャやイリスと共に旅芸人の一座で踊り子をしていた女性。
まだシロに決まった名がなかった頃にシロの事をサナブと呼んでは自分の居場所としていたが揺らぎに呑まれ行方不明となっていた。
海の世界で新たな家族を得たが昔も今もぶっきらぼうに助けてくれるシロには様々な想いを持っている。

猫族の集落を束ねる族長でありクローディアスの祖父。
無骨な武人であったにも関わらず王子セレンの子守を命じられてしまい似合わぬ苦労をした事は生涯忘れられぬ記憶になっている。

上位者に反旗を翻した者。壊れたステラを名乗る。ステラと協力して深淵を閉じた。

その正体は、ステラに接触する際新たに用意されたレムナの断片の一つ。レムナの最も新しく純粋な人格。ノヴァという名は、残骸と化する前の最初の人格に与えられた名でもあった。
一時、レムナとしての人格を封印したためノヴァはその真実を自覚する事がなかったが、ミコトとの再接触により目覚めたレムナに再統合された。

大本に存在したレムナの希死念慮とノヴァとして培った自意識との矛盾によりアルクに討たれようとしたノヴァだったが、たった一つ、手放さなかった願いにより星の逆槍によってレムナと分離された。
それでも罪の記憶までは拭われず、戦いの後は、パルペブラの復興に尽力する事を心に誓っている。

今やレムナの記憶は殆ど残っていない。オリジン――星乃ミコトの記憶に至っては古い映画を観るようにしか知る事ができない。それが『彼ら』の決別の結果だった。
もう彼らと同じ夢を見る事はない。けれど少年は、自らの道を歩みながら二人を見送る事を選んだ。彼らの行く先にも、光が在る事を願って。

ストラトス王の息女であり姫。名はリリー。勇者ライトとは親密な関係である。

呪術的な権威と圧倒的な武力で猫族の頂点に立ち、遥か過去には全ての獣人を支配し神の僕を称していた。またの名を、牙の王。牙の統治者。
彼らが守っていた神殿の地下にはワールドフリッパーが祀られていた。

かつて白虎は、その叡智でもって猫族に繁栄をもたらしていた……
その言い伝えが指し示すように白虎族の神王は何者かの『神託』を授かる事で世界を支配していたようだ。
神託の間の壁画にはその歴史の様子が描かれている。

神託によって授けられた叡智は白虎一族だけが占有したものだったが、神託が途切れた頃から、白虎はその叡智を限られた者達に分け与えるようになった。
こうした者達は、しかしそれを独占し後に呪術者として力と畏怖を振るう者として台頭するようになった。白虎が全てを支配した時代は、そうして凋落を迎えるようになったのである。

プリカが文通していたモスニア公国の王子。手紙が伝えるモスニアの風景に、プリカは胸躍らせていた。
グレイが作り上げた架空の人物であり手紙も全ての嘘のものだった。

『星詠み』を名乗る薄ら笑いの男。上位に至るため、オーガスを利用し秘宝アンチオブザーバーを手に入れた。
最後はアルク達に追い詰められ自らが利用しようとした秘宝の力で醜い変異体となってしまった。

最初に造られた機人の一人。よくアドミニスターに歌をせがんでいた。

星命会を率い、千里眼と称した予知・透視能力を駆使して迷える人々を導いていた、能力者。
しかし、その穏やかな笑顔の裏には避けられぬ終焉を知りながら偽りの希望のために手を汚し続ける事の絶望と悲鳴が隠されていた。

『奇跡の子』星乃ミコトを慰めるためにあてがわれた子。それが鎮谷サクヤの役割だった。
星命会の熱心な信者だった父親に意思決定の全てを奪われていた少女はその境遇を哀れんだミコトによって力を与えられた。
しかし皮肉にも、その力こそが彼女に終わる世界の様を誰よりも克明に見せてしまったのである。

アルクがまだ、凪原アユムだった頃。夜の間だけ、公園で会っていた友達。
透き通るような肌と白髪にそして星のように輝く瞳。ステラやレーヴェ、ノヴァ達とまったく同じ特徴を持っている。

『奇跡の子』として星命会に擁されていた最初の超能力者。
後に現れた能力者に比べればその力はほんのささやかな物に過ぎなかったが運命を狂わせるには、十分な力だった。
龍に己の否定を願い少年は光の中に消えていった。

星乃ミコトは『精神感応』の能力者だった。人々の思考は、ミコトの中でこだまの様に響き幼い彼に特異的な言語能力を与えもした。だが、それは彼にとっての福音ではなかった。
己に怯える母。教団からの崇拝と畏怖。先生の期待と、憐み。
ただ母の愛を取り戻そうと振るった力は不和と不信を招き、ミコトの思惑を超えて3人の人間の死という惨劇を引き起こした。
多重世界誕生の契機となった願いはその絶望の中から生み出されたのである。

星乃ミコトが生まれなかった世界。しかし『星乃ミコトの母』が幸せになれた世界。
願いは本質的に矛盾を孕んでいた。そして龍は、ミコトの観測なくしては存在し得ないものだった。
それでも龍は、願いを果たすため遠い世界を見つめ、繋いでいく。
交じる筈の無い異世界が混じり合う多重世界構造は、このために龍が起こした『不具合』の産物だったとも言えるだろう。

再び星乃ミコトが姿を現したのは、人々が世界の垣根を超えて手を携え龍を打倒したその時の事だった。
龍の中に埋もれていた、少年の遺骸。後に上位者と呼ばれる事となる人々はこの遺骸を龍の力の媒体とするため、残留思念をも固定する生命操作術によって星の宮にミコトを封印。以後、その死は永遠に引き延ばされる事で龍の眼から隠蔽される事となった。
一人の少年と、一匹の子猫が訪れるまで彼の時は、止まったままだったのである。

勇者ライトの世界に侵攻していた魔族の王。一度はライトに倒されたかに見えたが不死身の如く立ち上がりライトを獣の姿に変えてしまった。

もう一人のステラによって明かされた魔王の名前。
アルクの持つ物と酷似した剣を持ち流星雨を呼ぶ技、メテオブレイクを放ち一行を蹂躙。シャクティの命を持ってでしかその進行を止める事はできなかった。

その正体は、死者の想念により心身を変貌させる『呪い』を最も濃く受けたエギルの王。
もう一人のステラの助力によるものか本来は勇者のものと思わしき力を振るいエギルと同じく、不死性を備えている。

不死の秘密は、魔界の底に存在する『深淵』にあった。
深淵を通し、死者の世界に空いた穴は本来はこの世に残留するだけに過ぎない『呪い』を無限にオーグに与えていた。
全てが呪いと同一化する。それが魔王オーグの示した救済だった。

魔王と転じる前のオーグは線の細い、学者肌の魔族の男だった。エデュケウスは彼の兄の息子であり実の甥と叔父の関係にある。
自らを醜悪の王と称し全てを堕とす事で救済しようとした男はしかし美しさに惹かれそれを愛してしまっていた。

間者としてセイヴン家に潜り込んでいた『星詠み』の一員。
闇の禁呪を用いる魔術師であり廃竜について詳しく調べていたらしいが現在は行方をくらまし逃走中。ギルドナイツが足取りを追っているが結果は芳しくない模様。
同じ『星詠み』の仲間であったプロキオの事を尊敬しているようだ。

千岳トオルの妹。中学二年生。金髪に制服スカジャンというスタイルだが兄を『にいに』と呼ぶ幼さが残る少女。
トオルの妹である事を知られた場合に脅しや復讐の材料にされかねないと懸念したトオルの考えから離れ離れで暮らしていたがナオの手引きにより星見の街に移住した。
今はナオ、イナホと共に『恋あず』の続刊を心待ちにする平和な生活を得ている。

千岳家にはチカの他にカズヤという長男がおり両親が不全の一家では、当初カズヤがチカの親代わりをしていた。その時はまだ、カズヤは妹の金を盗む事も日常的に暴力を振るう事も無くチカにとって優しい兄であったという。
雷に貫かれ、炎を上げるバイクと共に優しい記憶以外を全て燃やして彼女は兄との別れを済ませている。

澄波響。高校一年生、15歳。瞬間移動の超能力に目覚めている。
作曲が趣味で、日本にいた頃は動画サイトに『どよもす』という名前で投稿していた。
被災した渋谷の人々の支えとなった楽曲『バイナリープラネット』も彼女の手によって生み出されたものである。

渋谷が世界から削り取られた日。彼女もまた、その日に世界から姿を消した人間の一人であった。
その後、伊野里ショウタによって揺らぎの迷宮から救出されるも渋谷の転移など、様変わりした世界を受け入れられず、周囲の人々との温度差に強い不安と疎外感を覚えていた。

だがマギア・フェスタの事件を通してヒビキは、渋谷の人々も同じ不安を抱えていた事を知る。
そして、ルシアーダやナオ、ディア達との交流を経て再び歩き出す事を決めるのだった。
――互いに手を取り合う未来を紡ぐ為に。

本名、マグノス・メェイン。テオ同様、ほぼ絶滅種である獅子族の生き残り。テオが隠し持つ『王鍵』を奪取し『百獣の王冠』を再起動させる事で自分達を迫害してきた世界を根本から作り変える野望を抱いていた。

勇者ライトと同郷の魔法使い。炎魔法の扱いに長ける。

シープシッパーの女性。元はパルペブラを拠点とした商人だったが星見の街を知った現在では異世界の品を仕入れて売り渡る星渡りの行商人となっている。

白い長髪に角を生やした青肌の魔族の女性。
かつては二人姉妹の娘が居たが魔王軍に徴兵された。その面影をリリスとステラに重ねて軍を裏切って匿った。
その罪でイルビスによってエギル化させられそうになるも免れる。
連合結成後、エリックと寄り添う姿が。

闇の古龍。天に反逆し魔に与した裏切り者とされており、勇者伝説の中でも幾度となく征伐された記録が残っている。
本来、転生のたびに消えるはずの記憶を継承する術を得ていたがその終わりのない憎悪と呪いは龍を怪物に変貌させるに十分なものだった。

記憶の継承は『呪晶』に残された残留思念を利用したものでありこれは『呪い』の力により変貌するエギルひいては魔王の継承と酷似したものである。
しかし呪晶は魔王オーグによって一度砕かれており、カペラは砕かれた呪晶からアルマデウスを再構築する事を求めていた。

アルマデウスは、どの龍よりも深く人類を愛した龍だった。
不毛の大地、魔界の呪毒に苦しむ人々に冥龍は自らの地肉を分け与えた。翼と角、寒色の肌――魔族と呼ばれる者達が現れたのは、それからの事である。

ストラトス王から魔王討伐を託された伝説の勇者の一人。
神官戦士と魔法使いと共に魔王の塔に挑み持ち前の圧倒的な武により魔王を追い詰める。
しかし呪いを使った反撃に遭い肉体を子兎のような弱き獣の姿へと変えられてしまった。

リリスによればストラトス王家には勇者の出現を報せる『神託』を授かる間が地下に存在しているらしい。
しかし勇者ライトの出現の際には神託はなかったという。
そのため当時のライトとシャクティは身の証を立てるための試練を課せられ少女シャクティを憤慨させる事となった。

――残光、願いよ。炎となれ。
龍の刻印と、僅かに残った力。そして、遺されたか弱き願いを炎に変えてライトは復活した。
星の定めに反したその行いは勇者の力の永久的な喪失を招く事となった。しかし、彼に後悔の念は無い。

機人の世界で座標を獲得した際にステラが幻視した、星見の街に現れた青年。共に幻視をしたライトは、その名を伝説に残る勇者の一人だと記憶しており星見の街とステラが勇者と関りの深い存在である事を、改め確信する事となった。

勇者ルクスは、星の女神によって使役された粛清の剣の一人だった。
龍を殺し、星を落とし、世界の全てを奪ったと語る彼の言葉には、ステラへの憎悪とそして哀れみが滲んでいた。
自分を消してくれと願った彼の行方はその後の勇者伝説の記述にも残っていない。

数多く居た勇者の一人。冒険記を書き綴っていた。

光の勇者伝説には何故か記されていない勇者である。
彼は後に『恋多きルフレクス』と呼ばれる作家となっていた。恋愛を描いた大衆文学を多く執筆して数多くの少年・少女の心を踊らせた。

破星剣に蓄積された歴代の勇者達の残留思念の内に、ルフレの残留思念も残されていた。
本来、勇者としての適格の無いアルクに力を貸していたのはこのルフレだったのである。
呪いと無縁の生涯をおくったため他の勇者達とは一線を画した存在であり、アルクに力を貸したのも人柄が気に入ったから、というもの。
恋に生きたという逸話に恥じぬ伊達男であり、残留思念なのに現れる度に服装が変わる程。

数多く居た勇者の一人。エルフを造った時に歌を歌っていた。

かつての勇者の一人。後の賢王イデアがまだ幼少の時期に現れ魔王を討ち、魔族の侵攻を防いだ。
しかし、魔王討伐の旅の中では勇者ルースを神託によって導いた王族ルセルティア姫が帰らぬ人となる悲劇もあり悲報を持ち帰った勇者ルースも後を追うかのように、歴史から姿を消している。

同胞ルフレの導きにより、ルースはアルクの手を引いて魔王オーグの元に連れていった。
握った手の温もりだけが信じるべき真実だとでも言うように、その間、ルースは一つの言葉も発する事は無かったのである。

かつて勇者と共に魔王に挑んだ神官。ライトが消えた後も、その帰還を信じて待ち続けていた。すでに死去。

シャクティとは恋仲の関係にありライトが消えた後も、彼女と共に戦い続けその心の支えとなっていた。
その時間は10年にも満たない時だったがヨシュアを語るシャクティの顔はいつも穏やかだったという。

錬金術師デオフラススの息子であり若くして亡くなってしまった悲しき少年。
人を超えた力によって蘇生されたが生まれたのは魂の宿らない抜け殻だった。

父を殺したカタナ使いに復讐するべく故郷を出て仇を追い続けていた女剣士。
しかし、仇は既にゼッヘルの手で始末されており生きる目的を見失うもムラクモの言葉によって救われ養子としてムラクモに引き取られた。
互いが互いに向ける感情は一般的な父娘とはどこか違うようだが人ではないムラクモにとっては些細な問題のようだ。

勇者の力を失ったライト。いまや無力な小さき獣でしかない。それでも誇りは失われていない。
再び魔王に挑むため、アルク達の力を借り世界を渡り歩く旅に出た。

兎に似た謎の獣――と思われていた姿だったが覆い隠された本質は、龍に連なるものであり、敢えていうならば聖龍ラフマーノに近い。
勇者が死亡した場合、次なる適格者に『力だけが転移する』という龍の転生にも似た勇者の機能を妨害するため、もう一人のステラが星の逆槍を使って歪めた姿である。
魔王から逃れた転移は、この機能がイレギュラーな状態で暴発したものだった。そうして壊れた女神、つぎはぎの紛い物、歪んだ勇者は、星見の街で出会ったのである。

DAN所属の『レプリア』で社長であるマザー・ラヴの側近を務め上司のコンダクターとの連絡係でもある。

黄金の聖龍。古龍。古龍の中でも最も年老いた長老の格だった。
銀の森の奥深くで勇者を待ち続けていた。だがライトとステラを見てもはや器が壊れている事実を知る。同時に滅びゆく肉体の限界を迎えてしまい龍の刻印を残して消え去った。

勇者ライトが消えた日、古龍達は天に昇り雷龍ラムス・エンフォーリアがこじ開けた次元の穴から勇者を追おうとした。しかし魔王軍の追撃は激しく、殿を務めたラフマーノは転移に失敗。深手を負った。
その後、世界融合により現れたエルフ達に結界維持のための力を貸す事を条件に匿われる事となった。

ハイエルフの姫、エステルリエルと過ごした時間は長い長い彼の命の中で最も愛に満ちた時間だった。
運命に翻弄され、運命の価値を自らに問い続けた龍が最後に願ったのは小さき姫のための未来だった。

魔王との決戦を終え、聖龍の魂が宿った龍の刻印は役目を果たし、砕け散った。森の精気によって封じられていた魂は解放され、星へと還る。
星に還った聖龍の魂は前世の記憶を失い、無垢へと還り友との約束を胸に秘めた冥龍の魂と共に龍の道を通って、再び世界へ飛び立つ。

正体はエステルリエルその人。
純朴なエルフの少女にみえる風貌をしておりわざと木人に自らを襲わせてアルク達の動向を窺う為に見せた偽りの姿。

本名はコチ・リョウキ。画狂老人Zの弟子の少女。東国の出身。『恋あず』のファンで続きが出ない事に業を煮やして画狂老人Zの元に押しかけそれが切っ掛けで弟子となる。まだ絵を描き始めて3ヶ月とは思えぬ腕前。絵を描けないと落ち込むクグイを、友情と絵描きのエゴをぶつけて立ち直らせた。

王国の辺境に近い地方の領主。元々は、先代の領主『ロラン』に仕える家臣だったが、ロランが死亡した際に権限を委譲されたと主張し認められた。ロランを殺害した砂漠の狂獣を討伐するために少年兵を派遣する。

だがロランを殺害したのは、彼自身だった。本来、ゴーレムの使役権限の譲渡は王族か権限を持つ当人だけが行える事であり彼はゴーレムの使役をもって、ロランからの正当な譲渡を主張していたがこれは仮面の術師によって権限を操作されたものだと思われる。

仮面の術者によって消されたと思われていたが、彼は魔界に囚われていた。そしてシロ達の目の前で、イルビスの手によってエギル・エンヴィーに変えられてしまう。

勇者ライトの憧れの君であったストラトス王家の姫。リリスの祖母。
父を亡くし、国を亡くし、子を亡くした彼女にとって人生は苦しみと悲しみに彩られ続けたものだったがシャクティとの間には奇妙な友情が存在していたという。

ウォルンタス魔法学院初等科に通う少年。成績はトップクラスだが常に上から目線のため友達は少ない。
影丘リュウイチに対抗意識を燃やしており会うたびに勝負を仕掛けているが、最近はパルペブラを連れ回すのもお気に入りらしい。

ランカ・ウォルンタスの完成記念式典ではスティネルやニュクスなどの新しい友達もできており、名前を呼ぶ程度には心を開いているのが見て取れる。
リュウイチに友達ができたと伝えたところ『そうですか』としか言われなかった事が、妙になんかなんとなく気に食わないらしい。

現在は魔法学院の中等科に進学。特進クラスや新しく出会った人々に世界を壊されながら成長を遂げている。
将来の夢は、父さまの家業を継ぐ事。そして憧れの人の隣に並び立つ事。僕もなれるだろうか。あの竜のように。……言ってやらないけど！

大海賊ゼグラの実の息子である少年。
一度も会った事のない大海賊である父親に複雑な感情を抱いていたがある日、遺産発見の報道を聞き自身に遺された遺産の真偽を確かめるべく故郷を飛び出す。父親のかつての部下であったマリーナに一目惚れしており、同じような年頃のアルクに対抗心を抱いている。

『調停者』フェルダー家の当主代行でレティシアの姉。
戦闘と政治、両面の天才で稀代の名主となる事を期待されていた。
しかし、海賊ゼグラの失踪に端を発した大規模な海戦が勃発。ルクレツィアも重傷を負い前線からの引退を余儀なくされてしまった。
現在では補佐として、妹を支えている。

辺境の解放を目指す反王国組織『黄金の曙光』のリーダー。
戦士としての腕も確かであるがやや理想家な面があり、助けを求める弱き者を見捨てられない『情』の男。苦しむ人々のために武力を行使する事に躊躇はしないが、辺境の解放のために王国に戦争を仕掛ける事には懐疑的。

かつてストラトス王家の王族として生まれた女性。
後の時代に王として即位した賢王イデアの姉にあたる、天体観測と読書を好んだ才女であり、当時の勇者ルースに神託を授け自らも同行した旅の果てに命を落としたと伝えられる悲劇の王女。

しかし、その真相は異なる。勇者の使命から魔族の虐殺をも辞さぬルースとそれ以外の手段を講じようと反対したルセルティアの関係は決裂し、やがて決定的な対決にまで及んでしまう。
勇者の剣に貫かれ魔界の深淵へと落ちたルセルティアは、その名誉を守るため魔族との戦いの中で命を落としたとされた。
人類の敵、狭間の魔女ベルセティアの登場はそれから後の時代の事である。

クエットが夢で出会った謎のロボット。
自分を逃がしてくれた研究者カペラを慕いクエットと共に研究所に赴くがその正体は転生した古龍アルマデウスを封じた一種の『呪具』だった。
しかし最後は自らの意志で龍になる事を選び龍の力と共に光の中に消えていった。

ルーマの制作は星詠みの影響下にあったクオリア・シティの研究者達でありその本来の用途は、ドラゴンからエネルギーを抽出吸収する機構のコアになるものだった。
しかし、カペラ以外の研究者はルーマに封じられているものが古龍とは知らず『強力な竜因子を持った個体』程度の認識しかしていなかったようである。

そうした装置に過ぎなかったルーマに人工知能を搭載し、知性と人格を与えたのはカペラだった。
砕けた呪晶に残った断片化した記憶を繋ぎ合わせるには、想像力――知性と人格が必要だったからというのがカペラの弁だがそうした試みは独断と秘密裏に進められたため詳細を知る者は居ないようだ。

サイファの双子の妹。不治の病に侵された身だったが、時さえ凍てつかせるサイファの魔法により氷に封じ込められた悲劇の少女。
が、本人は至って気楽な性格。テレパシーで他人とコミュニケーションを取る事も可能で、しばしばサイファと愉快な姉妹喧嘩をしたりしている。

ウォルンタス魔法学院の臨時講師となった姉を影から支援しようとしたレイだったが、学院からはそれもお見通しだった模様でレイもまた臨時講師として招かれる事に。
多くの仲間達と出会った今の彼女の願いは『正式な教師になる』事である。

魔王オーグが名付けたもう一人のステラの名前。魔王の意思を継ぐ者。
女神ステラが自身を洗浄しその際に棄てられたステラの半身。

辺境に近い地方を統治していた少年領主。融和政策を進めていたが、重臣の手により暗殺され、かわりにその男が領主に成り代わっていた。

砂漠の巡業団によって『砂漠の狂獣』と名付けられ見世物にされていたシロを保護し『白いから』という理由で名付けた張本人。
その関係は主従を越えた、親友と言うに相応しい関係だった。

王家と辺境の反乱者達との衝突を危惧し様々な手を使ってその回避に尽力していた。
親友シロに異世界の存在を語りいつかその扉を開くと夢見ていたが王家を刺激すまいと、古代遺跡から発掘したワールドフリッパーの存在も秘していた。

かつて西国を恐怖に陥れた大妖怪。空を駆けるほうき星のように輝く尾を引いて夜を蹂躙した伝説の大禍。イナホの母でもある。

シープシッパーの女性。明朗快活で調子がよく、自身の評価査定のためだと言って様々な活動を行なっておりアルク達とも懇意の仲。
パルペブラ中央ギルド本部 迷宮探索者生活安全改善広報部・部長の肩書がある。

パルペブラと渋谷の融合後は冒険者ギルドの業務増加に伴いこれまで以上に多忙になった。連日、深夜残業や休日出勤ばかりで有休消化など夢のまた夢という状態だが変わらず明るい調子で働いている。
最近は緋河リンネという後輩ができたため窓口業務を中心に少しずつ仕事を任せているようだ。

リビルドランド在住の、成金豪商の一人息子。手先が器用なジョンとおしゃれ好きなゲイリーの２人の取り巻きをいつも従えているだけの薄っぺらい青年……と思われていたがマルグリットとの出会いを経て夢と友情のため、父親と対峙する力を見せた。

父親の庇護から離れて以来若手実業家として海の家の経営に専念。海産物を活用した新メニューを導入するなど、いつしか店は大繁盛。
今では2号店を出店するなど着実に商売の手を広げ星見の街の住人からも一目置かれるようになる。

その翌年には出資を受け3・4号店を出店。更にその数年後には父親と企業提携を結び異世界へチェーン展開を果たす。チェーン店先で出会った女性と大恋愛の後に結婚。多くの子を授かり、孫にも恵まれ、最期まで家族や親友達に囲まれながら美しい人生を送ったという――
『――って感じの人生になったらマジ最高っすよね～！』と青年は焼きそばを作りながら笑うのだった。

マイナーズフロントの少女エコーの父。一帯を支配する財閥の重役である。
フロート再開発計画の総合責任者であり施政方針、予算配分、設計、景観作り、広報、環境整備、防災、反対運動の取り締まりなど幅広い業務に携わっている。

しかしこういう再開発事業は武器の製造と密輸の隠れ蓑でもあった。本来海の世界では活躍の場が少ない航空兵器の類まであった事は、パーンが『星詠み』と繋がり異世界に武器を供給していた事の証左でもある。
現在は恐ろしい人物達の監視の元『星詠み』の尻尾を掴む役割を任されている。

幼い頃のエコーが憧れていた女性であり自然環境保全の運動家にして研究者。マイナーズフロントに居ついていたのは研究とパーンの事業への調査・反対運動のための一時的なものに過ぎなかったが、その鮮烈な生き方はエコーに拭う事のできない『思い出』を残す事となった。

思い出など要らない、全てを振り切って行けるのか？
望む以外の全てを捨て純粋化する事を是とするその在り方は少女にとっての『強さ』の象徴となった。
それが本当に、強さの顕れだったのか？今はもう、確かめる必要もないだろう。

元エイジスの少年、愛称『ケンちゃん』。エイジスの分裂後荒廃した渋谷を屯ろしていたところを鷹森セイジにスカウトされる。幼馴染のミカの事を世界一大事にしている。

元エイジスの少年。凪原ナオのクラスメイトでエイジス時代の千岳トオルを崇拝し若干依存気味ですらあった。

砂漠の世界において盗賊を狩る盗賊として名を馳せていた盗賊団頭領の通称。
あぶれ者を拾い世話をしていたお人好しな性格の男であり、現代で盗賊狩りの盗賊と噂されているファラの親代わりの存在でもあった。
既に故人となっているが、今でもその名は広く知れ渡っている。

元エイジスの少女。茶髪で快活で、苦手な物はでっかいネズミ。鷹森セイジの事を『メガネ先生』と呼びなんだかんだ言って慕っている。ケンちゃんの事が世界一好き。

ウォルンタス魔法学院の創立者であり現学院長でもある、偉大なる魔女。
光魔法と闇魔法を同時に行使できる所謂天才と呼ばれる傑物である。
しかし、教職として生徒達に魔法原理を教える立場にありながら実際は『6属性など存在しない』という立場からも世界を俯瞰している人物であり魔法原理を無視して世界を変革する能力者に大いに興味を持っている。

50年前のファーランドにて魔導研究者だった頃の彼女を知る人物曰く当時から全く容姿が変わっていないらしくその素性の大部分は謎に包まれている。
一方、容姿は変わらぬが趣味や振る舞いはよく変わるとも言われておりこれは学院に通う生徒達の影響も多分にあるらしい。その珍妙な口調も、とある商家の女生徒から大きな影響を受けた結果だとか……。

美しい赤髪が自慢の少女。
元は窃盗を繰り返す不良だったが救いと憧れをきっかけにギルドナイツになる事を目指しはじめた。その焦がれる想いはたった一人の女性に向けられている。

自身と似た境遇である少年少女達との交流が多く、その繋がりは渋谷の子供達にも広がっている。彼女ならではの人脈や情報網を駆使して憧れの人を懸命に手伝う姿も。
最近はギルドナイツ入隊試験に向けての勉強を続けているが、ケイトやミカとは好きな人の話ではつい白熱してしまうとか。

海の世界、その海底に棲息する巨大生物。凶暴そうだが、アメリアのよい遊び友達であり、ヤドヤドと呼ばれ親しまれていた。仮面の術者に操られ、人魚の聖域を護らされていた。

八つの首を持つ魔竜。
東国に封じられた幾千幾万の魂が大妖怪として顕現した姿。その魂が尽きるまで蘇り続けられる。
スイゼンが編み出した五生・龍天の陣が龍脈の封印を完全に解き放ち全ての魂を大地に還す事で霧散した。

その存在は西国の創世神話においても語られるものであり、両国の歴史や伝説はやはり酷似しているようだ。
オロチはかつて東国にも存在した妖怪――そして『神秘を扱う者達』の魂が封印されたものの成れの果てだという。
スイゼンはこの情報については口外無用のものとアルク達に強く求めている。

隠密の残党達によって試みられたヤマタノオロチの再度の召喚の儀は完遂一歩手前で、妖刀を授けられた忍者ヤクモの手によって防がれた。
その際、ヤクモは真経津鏡の化身マノカと思わしき人物を目撃しておりヤクモの妖刀は、マノカに望まれた『怨み』もまた斬ってしまったのだと彼女自身によって語られている。

ナインズの騎士団長として同家の軍を取りまとめている精悍な武人。ユーウェル・ナインズの実兄にあたり意識の高さに翻弄されがちな弟の事を口にはしないが気にかけていた。
だが、成長した姿でファーランドに帰還した弟の提言を受け入れサーディアとの連携を容認すると同時に新飛燕自由騎士団への支援も確約した。

エイトラン家の次男にして高位神官だが、同時に酒や女で借金をこしらえる破戒僧。
本家と星詠みの関係についてヴァーレインらにリークする事でエイトランとその宗家フォーラーとの間の因縁にまで踏み込もうとした。

ファーランド王位継承権第四位の王子。トゥワイサ家を後ろ盾に持つ。
王の実子であり、ローナイトやラーゼルトとは異母兄弟の関係にある。ラーゼルトを兄と慕うが王位継承権は遥かに高い。
純真無垢を絵に描いたような好人物であるが実際、絵に描いたものに過ぎないとは本人の弁。

本名、ウィリアム。ユーウェルの旧友にして飛燕自由騎士団の元メンバー。
同騎士団の解散後『今さら故郷には帰れない』としてパルペブラに居残り、八百屋を営む日々の中ユーウェルとの再会を果たした。
異なる道を歩む事となった2人だったが第二の人生を歩むウィルの姿はユーウェルに己の道を行く勇気を確かに与える事となった。

自由騎士団が再始動した後もウィルが再び剣を取る事はなかったが支援物資を送るなど陰日向からユーウェルと騎士団をサポートし続けている。
かたや、同じ旧騎士団出身で一度はパルペブラの商人に転身したものの新騎士団への合流を表明した者に肉屋のマックスやエリザらがいる。

ファーランド王位継承権第二位の王子。王の実子であり、ラーゼルトとアースラムとは異母兄弟の関係にある。
現王と同じく九騎士のフォーラー家が後ろ楯であるがフォーラーの悪事が一部知られた今では彼らの存在が枷のようになっている。
それは公然の事実であるため、一部ではローナイトを味方として取り込もうという動きもあるらしい。

今はもう討滅された竜。邪竜と呼ばれた凶悪な存在。
頭脳明晰で純粋に力も強く人類を滅ぼさん勢いで猛威を振るい眷属と共に村々を蹂躙して回った。
だがパルペブラが発展した事で力をつけた冒険者達が討伐を成功させる。その最期はかつて村を滅ぼされた竜殺しの戦士の手によって命を散らした。

滅ぼされる間際に邪竜は子種を残した。その邪竜の子は殺処分される運命にあった。
だがニルヤーナらの思惑によって冒険者ギルドで引き取られて育てられた。今や邪竜の子は冒険者ギルドのマスコットになっている。

ウォルンタス魔法学院初等科に通う少女で教師を務めるようになったレイラスの教え子。
不仲の両親による諍いの絶えない環境にあったところを、学院講師の祖父の手により引き取られ、学院寮で暮らしている。
当初は寂しさからか厭世的な振る舞いをするようになっていたがレイラスを始めとした大人達の力により落ち着いた性格を取り戻している。

捨て鉢になっていた自身を救ってくれたレイラスには恋心に似た憧れを抱いておりルイク達による最強論争を冷めた目で見つつも、内心ではレイラスが一番だと当たり前のように考えている。
スティネルとは式典で仲良くなってからはチェスなどでよく遊んでいるらしく友達付き合いも順調なようだ。

聖夜に自らの狂言誘拐を企てた少年。
あくどい商売で財を成す父親への反発と愛情への飢えがその動機だったが、本物の誘拐犯に攫われた際も父親は身代金を用意せず、彼の求めたものは存在していなかった事が証明された。
しかし、救助に現れたシロは彼に『親父をブン殴る方法』を教える事を約束。その約束は着々と履行されているようである。

誘拐犯から救助されて以降は今まで通り父親の下で生活はしつつも、時折、星見の街を訪れて様々な事を大人達から学んでいる。
新しい友達も数多くできており最近ではランカ・ウォルンタスの完成式典で仲良くなったルイクと誰が最強かの論争を繰り広げている。

見嶋ユキに救われ見嶋ユキを愛した、渋谷の少女。
コンタクトレンズにより偽装しているが彼女も能力者であり、渋谷の閉鎖時にはエイジスに強引な勧誘を受けていたものの、それをよしとしなかったユキの態度に憧れを抱く事となった。
その恋が成就する事はなかったが、ユキにとって忘れられない人となった。

コズミック十二支国の神獣。
シルクハーレと共に卯国のアイドルユニット『CRT13』として活動している。
シルクハーレにとって、家族のような存在。

落ち着いた物腰のジェントルマンだがかつては稀代のプレイボーイとして浮名を馳せていた。数多くの修羅場をくぐり抜けてきた証は今も彼の全身に刻まれている。
彼の転機には、とある一つの別れがあったと噂されているが……真相は定かではない。

冒険者相手の商売で一財産築いた元冒険者である巨漢の男性。
かつては『疾風』や『天雷』とも冒険を共にしたと自称しておりその名声を利用したような商売をしている。
聖夜にシロが勧誘していた『傷病保険』は彼の商会の手によるもの。

その正体は強く勇猛であろうと虚勢を張っていた繊細な男でありレオン曰く当時から仲間が死んだ後の遺された家族の事も気にするような男でレオン達からも『グレイブのおっさん』と慕われていたとの事。
一方、息子に対する甘い態度は当時から目に余っていたらしく息子の女癖が悪いという嘆きに関しては『そりゃそうだろうよ』との事。

作曲家を生業とする機人の男性。
記憶洗浄を受ける前は楽器職人でありリーラの持つヴァイオリン『キャロル』は彼が製作したものである。キャロルを用いたリーラの演奏に惚れ込んでおり、大ファンになっている。

犬族最強の騎士と謳われたロルフの亡き妻。王命により戦場にいたロルフは死に目を看取る事はできず悔やんでいる。だがその在り方すら愛した彼女の遺言はロルフにとっての人生の道標となった。生前は眩しいほどに明るく温かな女性でロルフを立てるよき妻だった。

ゲルダはファッションに疎いロルフに代わり服選びをよくしていた。ロルフは妻のコーディネートを覚えており今でも身なりを整える時はそれを思い出す。服装は亡き妻と自分を繋ぐ一つの絆であり褒められる事は妻への誇らしさもあって至極嬉しくなるようだ。

インヴェトラの五つ年上の兄。弟同様、敏腕のガジェット開発者だがロマンとクールを追求する弟とは正反対の効率と実用性を重視するタイプ。セキュリティ大手のメガトロテクノ社に所属している。

かつてのキング・ジョンソンの相棒。故人。派手好きの楽しい事至上主義者。金は欲しい、何故なら金があれば楽しい事がたくさんできるから。自由が欲しい、何故なら楽しい事を我慢したくないから。そういう獣のような人間に見える。

元は統夜企連系列大企業の御曹司。ルールには厳格で真面目なエリートを望まれるが――しかし、彼は凡庸だった。そうして鬱屈を溜める少年時代の中で彼は身代金目的の誘拐に遭う。無法で、悪辣で、どうしようもない悪人達。少年には、それが自由に見えた。

自由に憧れた少年は、悪である事を選び取った男となった。そう己に言い聞かせて、ようやく男は自己を確立した。抑圧への反逆。自由の奴隷でしかないと分かっていてもなお、そうするしかなく。そんな時、男は美しい獣に出会った。

――気に入った人間には命を賭ける。何故なら、きっと自分などよりそういう面白い奴の方がよっぽど価値があるから。
男は結局のところ、最後まで獣でなく人であった。

誰かを芸能プロデュースする際に変貌するアルクの有り様を指す言葉。
常よりも活発で能動的な仕切り能力と手練れの話術を駆使するようになり人が変わったようになるが抑制が外れているのだとも言える。

朱の刃の海賊のひとり。隻眼に顎髭が特徴的で小柄。チャキチャキとした気性で口が達者。あほみたいにマリーナが好き。

実はエイジという名が、ちゃんとある。

朱の刃の海賊のひとり。筋肉モリモリで大柄。純朴とした気性でのんびりとしてる。ばかみたいにマリーナが好き。

実はビーズという名が、しっかりある。

転生したラフマーノになにかと世話を焼くハイエルフの男性。
転生後のラフマーノが転生前とは違う存在である事は理解しつつも与えられたものを少しでも返せるようにと甲斐甲斐しく世話を焼いている。

ファーランド地方に住まう竜。閃空竜とも呼ばれており、かつて絶大な力を誇っていた。
ファーランドのサーディア家とは深く長い因縁があり、それは伝説として語り継がれている。

サーディア家の家宝エンリルは、古の時代に同家の騎士が閃空竜エンリルを撃退した際に牙を奪って研ぎ鍛えたものである。
しかしその後、閃空竜エンリルは雪辱を果たすために同家に挑み、家宝エンリルとなった我が牙を取り返した。
故にエンリルを再び手に入れる事はサーディアにおける悲願だったのである。

逸話が伝説になるほど時を経た現世にてこの悲願を叶えたのは、自身の力を証明するために現れたサーディアの剣鬼シルティー・サーディアだった。
更に同家次期当主シエルもこれに続き、エンリルは連続して二度の敗北を喫し双牙を奪われてしまったのである。
文字通り牙を抜かれた閃空竜エンリルは、巣穴を引っ越して人里離れた山奥で静かに引き籠もっているという。

海の世界、その海に棲息する巨大なイカのような怪物。船を襲ったり、巣に財宝を貯め込む性質があるという。

深淵の向こう側に存在するとされる大いなる力を持つ異形の存在。
迷宮に潜む龍の力を求めており、そのための触媒としてドラゴンを歪め『廃竜』を生み出している存在だとグラムに推測されている。
この存在に完全浸食された粛清者には龍の身体と共に、無数の『触手』が発生した事が確認されている。

海の世界の北方海域の深海に眠ると言われる、触手を持った怪物の事。神、王様、レヴィアタンといった様々な名前で呼ばれている。世界が海に沈んだ際に現れたと言われる。目覚めれば海に生きる命全てが滅ぶ……人魚達の伝承にはそう伝えられている。

たびたび目撃され、フロートを襲撃して陸政府軍に撃退された事もあったが、それは本体ではなく眷属なのではないかとも言われている。

多くの錬金術師達がその謎を探ろうと研究を重ねているが、その全貌は未だ解明されていない。
また『星詠み』なる謎の組織がその力を利用しようと暗躍している。

錬金術師デオフラススは長年の研究の結果、星喰いとは世界のルールに縛られない、理を超越した超常的存在だと結論付けた。
端末を介して本体に接触する事で理外の力の一端を借り受けられるが、その力で夢や理想を叶えようとしても、人間の理解が及ばない超常的存在の力故か願いは歪んだ形で叶えられる。

『恋あず』のヒロインの一人。恋あずの続きを描けと押しかけてきたイナホを見て閃いた画狂老人Zが新たに登場させ、人気沸騰中。

『恋あず』の主人公。風来坊の美丈夫の人気キャラクター。

魔王の呪い。剣と龍の呪い。渦巻く呪いの中から、願いだけを掴み復活を遂げたアルクだったが、その代償はゼロではなく右眼はほぼ光を失ってしまっている。
冒険者はもう引退だねと、笑う彼だが『そんな物分かりのいい男じゃない筈だ』とはユーウェル・ナインズの弁。

星の女神を造り出した技術を応用して生み出された星の宮の守り人にして管理者。
その役割は星の宮全体の管理及び目的を遂げられず夢に逃避して眠り続ける上位者達に『答え』を与え続ける事。

星の女神をデザインする際に使われた技術の応用によって造られた存在だが、ノヴァやステラ達とは異なりオリジン――星乃ミコトの因子は使われなかったため、龍に関与する力は保有していない。
感情を持たずに誕生した守り人だが、ステラとの共鳴により感情を理解した。

星の宮での決戦の後、守るべき者も役割も失ってしまった守り人はステラに誘われ星見の街に移住している。
『エリクシル』の名を与えられた守り人はネフティムの妹分として振舞っており、全てが新鮮な日々を謳歌しているようだ。

凪原アユム、そしてナオの父親。穏やかで優しく子供たちを見守る。
荷物を取りに行くため、渋谷の外に向かった際虚無に呑まれ、自身を喪失。星命会によって地下貯水槽に収容されていた。
渋谷とパルペブラ融合後にはパルペブラの療養所にて保護されていたが、目を覚ます気配を見せる事もなかった。
アルクの星の宮からの帰還後、妻ナナミと共に、遂に目覚める事となる。

凪原アユム、そしてナオの母親。気さくで明るく子供たちを育む。
消息不明となった夫と息子の行方を探すため渋谷を離れた際虚無に呑まれ、自身を喪失。星命会によって地下貯水槽に収容されていた。
夫同様に、パルペブラ療養所に保護されその後目を覚ますものの、心は夢の中に在り子供達の顔も認識できない状態が続いていた。
が、アルクを呼ぶ伊野里ショウタの声からアユムの中学時代の日々と夢を重ね合わせ、結果、現実に戻ってくる事ができた。

龍の遺骸から発見された少年ミコトの模倣品として上位者が造り出した最初のステラ、ノヴァの成れの果て。
誕生経緯から希死念慮に囚われており、世界諸共自身の存在を消そうとしている。

その正体は、狭間の世界に幽閉され続けた事で壊れたノヴァの人格の『残骸』。
星乃ミコトの遺骸との共鳴により痛みと自我を獲得したノヴァだったが、自由意志の発現が理由となって狭間の世界に廃棄処分されてしまう。
その年月は1万年を超えており、星の逆槍を持たなかった彼はただただ人格の生成と破壊を繰り返す事しかできなかったのである。自身もその総数、総体の把握はできておらず分裂した思考の中で、ただ一つ共通した破滅への願望だけを、己の心と認識している。

星乃ミコトの残光を抱く龍の真の姿。大いなる存在が、ただ人の願いのため形を成したもの。
それは死を象り、母を象る因果を縛る蛇である。

遂に人間の姿を取り戻したライト。の筈が、どういうわけか少年のように若返ってしまった姿。年齢は12歳相当で、勇者の力に目覚め旅立った当時よりもさらに幼く、しかも暫く経つと獣に戻ってしまう時間限定の姿でもある。
勇者の力も完全に失われておりおそらくはアルクの復活の際に『持っていかれた』影響と思われるが、だとするならば、それより誇らしい事はないと満足そうに微笑んでいる。

勇者の力は失い、非力な少年となったが『今の私には、学ぶ事のできる仲間がいる』といって取り入れた戦闘技法によって冒険者としての実力を、尋常ではない速度で伸ばしているらしい。
と、戦闘能力においては不満はないものの問題は精神・情緒の面であるらしく人生において再びやってきた第二次性徴に大いに戸惑っているらしい。獣の姿になればそれも解消されるためこの方が楽かもしれん……とボヤく姿が哀愁を誘っている。

まるで隠居老人のような風情で子供達の冒険を見守る少年ライト――だったが
「おとぎ話の勇者なら、悪くはない」
その言葉の責任を取れと言わんばかりにベルセティア、マイコ、クエットの三魔女の冒険にライトは駆り出された。
多くの世界を駆け巡り、継承器を回収する旅。その都度、あなたを護る。などと容易く言ってしまう、そして実行してしまう。
「災いの芽を振り撒いているのよ」
冷たく言い放つ狭間の魔女に引きこもりの魔女も同意する。なんの事かさっぱり分からぬ彼は今日も、おとぎ話の続きを紡いでいく。

渋谷の中学校に通う学生。その正体は街に潜む隠密の一人で、実年齢や性別も定かではない。
命じられた任務を果たしながら、主が笑った理由と己の想いの形を探し続けている。

パラサイト・アビスが寄生した縁を辿りマーデンの元に出現した星喰いの端末。寄生先の人間の願望を叶える機能を持つ。初めはパラサイト・アビスと同じくマーデンの破壊衝動に共鳴していたが、最終的には彼の最も根源的な願いを認めた。彼らにとって、願いに善悪は存在しない。無論、叶える手段にも。

ウォルンタス魔法学院の生徒でクエットのクラスメイト。特進クラスの中でもトップクラスの実力者で将来を早くも有望視されている。周囲からは天才と称される事も多いが、実は地道な勉強を積み重ねてきた頑張り屋さん。その自信と勝ち気な振る舞いは確かな努力に裏打ちされたものなのである。

『クエット被害者の会』会長。
研究系の魔術師を両親に持ち、幼い頃から真面目に努力を重ね、真っ当に自尊心を高めてきたジェシカだったが――突如として現れたクエットによってその世界観を木っ端微塵にされてしまった。
しかし培ってきた誇りは、折れど腐らず。彼女はクエットを越えるべき壁と見なしこれからも研鑽を続けていく事だろう。

シブヤ地下対応課に所属している女子高生。本名は田中心愛（たなか　ここあ）と中田桃香（なかた　ももか）。
生まれた時から家が隣同士の幼馴染。二人で撮ったプリントシールが山ほどあり、プリ帳は無くさないようすべて大事に取ってある。

最近の夢は足を機械化する事と、機械の翼を購入して飛ぶ事、そしてクシューハをどうにか説得し、お揃いの制服を着てプリントシールを撮る事である。（ツインクとステラとノヴァとは既に撮影済み）
足の機械化については、猛烈に反対している各両親と中学で元担任だった鷹森町長との激闘の三者面談が行われている。

雷の化生、カヅチと雷舞（らいぶ）を共にする嵐の化生。情熱的な三味線は風雲を呼び雨風と共に魂を揺らす。
カヅチ同様、高天原なる領域での雷舞中に姿を消し、以後行方が分からなくなっていた。
M.O.F（ミレイアオクトーバーフェス）にて画狂老人ジグザの描いた神楽舞台に降臨。カヅチとの再会を喜ぶ暇もなく雷舞に乱入し伝説的な一夜の立役者となった。

カヅチは星見の街に現れた。では、ゼップウはどこに現れたのか？
それは偶像決戦の場。コズミックバトルアイドルロイヤルの最前線だったのである……！
「っへ。やろうってのかい？　それなら受けて立つぜ！」
ゼップウのかき鳴らすシャミセンサウンドがアイドル達の魂にさざ波と大波を起こす。風雅と野蛮。愛しさと切なさ。敵と味方。戦いが終わった時、彼らは友となっていた。
うさんくさい色眼鏡と首に巻いた上着はその時に得た友からの贈り物だとか。